let's  いめいじん句" 

「いめいじん句"」投句大募集!

 

3月号「いめいじん句"」のお知らせ

 

毎月掲載される1枚のカットをもとに、

自由な発想による作品を募集します。

応募された作品を選者が鑑賞いたします。

初心者の方も大歓迎!

お気軽にご応募ください。                                                                                                                                                                                                                                                                     カット:山本耀子

                                                                                                                                       [例句]

長閑さやバッグの隅の五円玉

合格の旅立つスーツ春疾風

三月や子等の迎へる上野駅

                                                                                 

 ●投句方法

 投句はメールでお願いします。

専用投句フォームに必要事項をご記入のうえ

送信してください。

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いめいじん句" 投句はこちら

 

投句フォーム以外での投句をご希望の方は

下記のアドレスでも受け付けています。

info@kaseihaikukai.com

 

 

 

●締め切り

 

31日(月)

 

●入選作品発表

 

月予定

 

               


2月号「いめいじん句"」  入選作品発表

           大山文子

 

 

 

 

 

 

  

 

  

  朧月涙で歪む万華鏡        葵

葵さんに何があったのでしょうか、うれし涙か、悲しい涙か、悔し涙か。

季語の「朧月」からも読み取りにくい一句です。

万華鏡を覗くふりをしてごまかす涙はほろ苦いもののようです。

 

  古日記目にかかる時椿落つ     藤川雅子

季語が二つはいただけません。

「古日記」は冬、「椿」は春です。ご注意ください。

同時に頂いた 見事なる品格抱く椿咲く 

も一句一章の形ですが、頭の中で作った句のようで感動が伝わりません。

 

  寒椿三島由紀夫は百歳に      坂倉一光

  土筆抜く一本分の力かな

一句目。衝撃的な死を迎えた三島由紀夫は生きていれば百歳になられたんですね。

潔さを寒椿に重ねられました。武士の気概みたいな椿です。

今の世界情勢を三島ならどういう風に捉えられるでしょうね。

二句目。普通土筆は摘みますよね。

このままほっておくと一面スギナに覆われてしまうから抜かれたのでしょうか。

根茎でつながっている土筆はなかなかの難敵です。   

  指先に集め土筆を抜くちから 

 

  つばき落つほつたりと又ほつたりと   田中 権

「ほつたり」のオノマトペのリフレインがよく効いています。

調べてみると狂言の地蔵舞に使われている言葉のようです。

同意語の「ぼつたり」より清音の「ほつたり」がよく合っています。

 

  寒夜裂き赤い灯急ぐ命乗せ       昼寝

イラストの椿の赤から救急車の赤色灯へイメージが飛びました。

この冬は我が家の近所でも救急車がよくきました。

コロナ以後家族葬が増え、町内会でのお知らせは減って

何か月もたってから訃報が聞こえるようになりました。

気を付けましょうね。

 

  ゆきふってむしさんおうちにかえってる  ゆずみ

そうよね、むしさんたちもゆきがふるとさむいよね。

ゆずみちゃんはおそとであそぶのかな?

それともおうちからゆきをみているのかな?

やさしいゆずみちゃんのきもちはむしさんにもとどいているとおもいます。

 

  おばちゃんが焼き上げていく蓬餅     宇佐美好子

奈良の長谷寺の門前町の草餅は有名ですよ。

おじさんやおばさんが丁寧に焼き上げてくれます。

蓬餅の緑色がまさに春の色です。

奈良の中谷堂の草餅は黄粉がまぶしてあり、それはそれで有名です。

 

  廃村を辿り千年椿かな          芦田美幸

  椿咲く千人針の玉結び 

美幸さんの二句を頂きました。

一句目。丹後の辺りも人口減少で廃村が増えているようですね。

丹後の与謝野町には千年を超えた椿があるそうです。

「千年椿」がおおらかに受け止めてくれます。

二句目。千人針の句も以前はよく見かけました。

この句も「椿」を置かれたことで格調が生まれました。

 

  寒椿海鳴りを聞き風を聴き        泉 くらら

以前四国を巡った時の足摺岬を思い出しました。

山陰生まれの私には青すぎる青い海でした。

夜ごとの海鳴りを聞き太平洋からの荒い風を受け健気に咲く椿が彷彿としました。